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「最大80%」と聞くと、受講料の8割がすぐ戻るように見えます。
実際は、50%、70%、80%の3段階です。資格取得や雇用、賃金上昇を満たした後に、すでに受けた額との差額が追加されます。
私も国内MBAの受講時に、この制度を利用しました。ただし当時は、現在の賃金上昇による加算がありませんでした。
2026年7月29日時点で、とくに迷いやすい点は次の3つです。
- 50%から80%になる5つの条件
- 賃金5%上昇の判定方法
- 受講前、受講中、修了後の申請期限
3制度全体の違いは、教育訓練給付金の使い分け早見表で確認できます。このページでは、専門実践の最大80%に必要な条件を扱います。
専門実践教育訓練給付金80%は3段階で受ける
80%が最初から支給されるわけではありません。受講中50%、資格取得等と雇用で70%、賃金5%以上の上昇で80%へ進みます。
専門実践教育訓練給付金とは、中長期のキャリア形成につながる指定講座の費用を支える、雇用保険の制度です。
厚生労働省の制度案内によると、給付は次の3段階です。
| 段階 | 主な条件 | 給付率 | 年間上限 |
|---|---|---|---|
| 受講中・修了時 | 受給資格を満たし、指定講座を受講 | 50% | 40万円 |
| 資格・雇用の加算 | 資格取得等をし、期限内に被保険者として雇用 | 70% | 56万円 |
| 賃金上昇の加算 | 70%の条件を満たし、修了後の賃金が5%以上上昇 | 80% | 64万円 |
80%の対象は、2024年10月1日以降に受講を始めた人です。70%や80%では、最初から全額を受け取るのではありません。50%で受けた額との差額が追加されます。
100万円の1年講座なら上限が効く
対象となる教育訓練経費が100万円、訓練期間が1年と仮定します。
- 50%なら計算上50万円だが、年間上限により40万円
- 70%なら計算上70万円だが、年間上限により56万円
- 80%なら計算上80万円だが、年間上限により64万円
この例で80%の条件まで満たした場合の受取額は64万円です。対象経費100万円に対する自己負担は少なくとも36万円で、交通費やパソコン代など対象外の費用があれば、実際の負担はさらに増えます。
対象経費は、本人が学校へ払った入学料と受講料が基本です。厚生労働省のQ&Aでは、交通費、パソコン代、任意の教材、検定料などは対象外とされています。
80%になるために確認する5つの条件
対象講座を選ぶだけでは80%になりません。受給資格、事前手続き、修了、資格と雇用、賃金上昇の5つを確認します。賃金上昇は受講者だけで確実に決められる条件ではないため、80%を前提に資金計画を組まないことが大切です。
- 雇用保険の受給資格を満たす
- 厚生労働大臣の指定講座を選ぶ
- 受講前の手続きを終える
- 修了後に資格取得等と雇用の条件を満たす
- 訓練修了後の賃金が5%以上上がる
1. 雇用保険の受給資格を満たす
在職者は、受講開始日に雇用保険の被保険者であることが前提です。支給要件期間は原則3年以上で、初めて教育訓練給付金を受ける場合は2年以上です。
離職者は、原則として被保険者資格を失ってから受講開始まで1年以内であることが必要です。妊娠、出産、育児、疾病などでは、適用対象期間を延長できる場合があります。
過去に給付を受けた人には、追加の条件があります。あいまいな場合は、管轄のハローワークへ支給要件照会を出します。
2. 指定講座を選ぶ
学校や大学院が制度を案内していても、すべてのコースが対象とは限りません。講座単位で確認します。
厚生労働省の教育訓練講座検索システムでは、講座名、施設名、分野などから探せます。受講開始日が指定期間内にあるかも確認してください。
国内MBAを選ぶ場合も同じです。「MBAだから対象」ではありません。専門職大学院の中でも、指定を受けた講座を選ぶ必要があります。
3. 受講前の手続きを終える
専門実践では、訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを作ります。そのうえで、受給資格確認に必要な書類をハローワークへ提出します。
厚生労働省のQ&Aは、受講開始日の原則2週間前までの提出を案内しています。予約や書類の準備があるため、講座を決めたら早めにハローワークへ連絡してください。
申込金を払っても、給付の予約にはなりません。資格確認は別に管理します。
4. 資格取得等と雇用の条件を満たす
70%へ進むには、講座の目標となる資格取得等が必要です。さらに、原則として訓練修了日の翌日から1年以内に、雇用保険の被保険者として雇用される必要があります。
すでに在職している人は、資格取得等の時点で被保険者であることが条件に関わります。講座ごとの「資格取得等」が何を指すかは、受講前に学校とハローワークの両方へ確認してください。
5. 修了後の賃金が5%以上上がる
80%へ進むには、70%の条件を満たしたうえで賃金上昇が必要です。つまり、賃金だけ5%上がっても、資格取得等と雇用の条件を満たさなければ80%にはなりません。
判定は、給与明細の月額を1回比べるだけでは終わりません。
賃金5%上昇は6か月分の証明で判定する
月給1か月だけを比べる制度ではありません。受講開始前と訓練修了後の賃金日額を、所定の方法で比較します。
厚生労働省の賃金5%上昇に関する公式パンフレットでは、次の考え方が示されています。
| 比較する時点 | 在職者 | 受講開始時に離職していた人 |
|---|---|---|
| 受講開始前 | 受講開始日前の賃金日額に相当する額 | 直近の離職にかかる賃金日額 |
| 訓練修了後 | 資格取得等から1年以内の連続する任意の6か月 | 就職・資格取得等から1年以内の連続する任意の6か月 |
| 判定 | 修了後 ÷ 開始前が1.05以上 | 同左 |
訓練修了後は、条件に合う期間から連続6か月を選びます。申請書には事業主の証明が必要です。
主な添付資料は、次の2種類です。
- 賃金台帳または給与明細
- 出勤簿またはタイムカード
訓練の前後で勤務先が違う場合は、複数の事業主へ証明を頼むことがあります。必要書類を早めに確認してください。
80%加算の申請時期
賃金上昇分は、修了直後には判定できません。修了後の連続6か月の賃金が必要だからです。
公式パンフレットでは、資格取得等と雇用の基準日から6か月を経過した後、そこから6か月以内に申請する流れが示されています。在職中か離職後に就職したかで基準日が変わるため、個別の日付はハローワークで確認してください。
資格取得、就職、賃金の対象期間は、年月日の一覧に落とします。
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受給資格を確認してから講座を比較
給付率だけでなく、修了要件と総負担額も確認する
専門実践の対象講座でも、期間、資格取得等の条件、通学負担、対象外費用は異なります。申込み前にハローワークで受給資格を確認し、説明会では指定番号、修了要件、申請用書類の発行時期、給付を除いた資金計画まで確認してください。
受講前から修了後までの申請手順
申請は1回では終わりません。受講前、6か月ごと、修了時、追加給付の節目があります。
手続きは、次の順に進めます。
- 検索システムで講座の指定状況を確認する
- ハローワークで支給要件を照会する
- 訓練前キャリアコンサルティングを受ける
- 原則2週間前までに受給資格確認を行う
- 受講開始後、6か月ごとに50%分を申請する
- 修了時の支給申請を行う
- 資格取得等と雇用の条件を満たしたら70%分を申請する
- 賃金5%以上上昇の証明をそろえて80%分を申請する
厚生労働省の手続き案内では、受給資格確認と支給申請の電子申請も可能と案内されています。使える申請方法と必要書類は、管轄のハローワークへ確認してください。
6か月ごとの申請は1か月以内
受講中は、受講開始日から6か月ごとの支給単位期間で申請します。期間末日の翌日から1か月以内が申請時期です。
修了時は、修了日の翌日から1か月以内が基本です。やむを得ない理由や期限の扱いには個別判断があるため、遅れそうな時点でハローワークへ相談してください。
条件を満たしても、証明書が足りなければ申請を完了できません。
国内MBAで利用したときは賃金上昇の加算がなかった
私は国内MBAで学ぶ際に、専門実践教育訓練給付金を使いました。当時は、現在の賃金5%上昇による追加10%がありませんでした。そのため、賃金証明の準備も不要でした。
一方、受講中の申請は1回ではありません。複数回の申請時期があり、忘れない管理が必要でした。
この経験から得た学びは2つです。
- 国内MBAを検討するなら、指定講座かを出願前に調べる
- 学校からの案内だけに頼らず、自分でも申請日を管理する
今なら、支給単位期間の終了日、修了日、資格取得等の日、雇用の基準日、賃金証明を頼む日をカレンダーへ入れます。
今の制度で80%を目指す人は、当時はなかった賃金証明まで予定に入れる必要があります。受講開始日によって適用条件が変わるため、申請前にハローワークで確認してください。
申請忘れを防ぐ管理の型
締切日だけでなく、「書類を頼む日」も登録します。申請日だけの通知では、証明書が間に合わないことがあります。
次の5項目を1つの表にします。
| 管理項目 | 記録する内容 | 通知の目安 |
|---|---|---|
| 受給資格確認 | 受講開始日、原則2週間前の期限 | 1か月前、3週間前 |
| 受講中の申請 | 6か月ごとの期間末日 | 1か月前、1週間前 |
| 修了時の申請 | 修了日、証明書発行日 | 修了前、発行日に再確認 |
| 70%加算 | 資格取得等、雇用の基準日 | 条件成立前後 |
| 80%加算 | 対象にする連続6か月、事業主への依頼日 | 6か月終了前、終了直後 |
書類の保存場所も1つにします。受給資格者証、領収書、修了証明書、給与明細をまとめます。
80%の加算では、勤務先へ証明を頼む工程も増えます。日付と書類を一覧にすると、抜けを確認しやすくなります。
よくある質問
80%の可否は、受講開始日、資格と雇用、賃金、申請期限で決まります。
転職しない在職者でも80%を受けられますか
制度上、在職を続ける人も対象になり得ます。資格取得等と被保険者の条件を満たし、所定の比較で賃金が5%以上上昇する必要があります。個別の基準日はハローワークへ確認してください。
賞与が増えれば賃金5%上昇になりますか
単純な年収比較ではありません。雇用保険上の賃金日額に相当する額を、所定の6か月で比較します。どの手当が賃金に入るかを含め、勤務先の証明とハローワークの確認が必要です。
100万円の講座なら80万円受け取れますか
1年の講座なら、80%給付の年間上限64万円が先に効きます。また、パソコン代や交通費などは対象経費に含まれません。受取額は対象経費、期間、達成した段階で変わります。
受講中に申請を忘れたらどうなりますか
専門実践は6か月ごとに申請があります。期限を過ぎた場合の扱いは事情により異なるため、気づいた時点で管轄のハローワークへ相談してください。学校の案内と自分のカレンダーを併用すると、申請を忘れにくくなります。
まとめ
専門実践教育訓練給付金の最大80%は、50%の基本給付に、2段階の加算を重ねる仕組みです。
資格取得等と雇用で70%になります。そのうえで、修了後の賃金が受講開始前より5%以上上がると80%へ進みます。年間上限は、それぞれ40万円、56万円、64万円です。
最初の行動は、次の3つです。
- 検索システムで受講候補が専門実践の指定講座か確認する
- ハローワークで受給資格と受講前の期限を確認する
- 受講開始から追加給付までの日付をカレンダーへ入れる
80%の追加給付は、給付率の高い講座を選ぶだけでは受けられません。まず50%の給付を前提に資金計画を立て、資格・雇用・賃金上昇の条件と申請時期を1枚にまとめることが、判断ミスと申請漏れを防ぐ近道です。
この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法律・税務・労務の個別アドバイスではありません。具体的な受給資格、賃金の比較期間、申請期限は、住所を管轄するハローワークへご相談ください。制度や指定講座は変更される場合があります。記載内容は2026年7月29日時点の情報に基づいています。
よくある質問
本記事の内容は公開時点の情報に基づきます。制度・法令・料金は変更される場合があるため、必ず公式情報をご確認ください。個別の判断は専門家にご相談ください。